「桜井政博のゲームについて思うこと」

桜井政博のゲームについて思うこと Think about the Video Games

桜井政博のゲームについて思うこと Think about the Video Games

桜井政博氏は、ゲームボーイの「星のカービィ」から始まる「カービィ」シリーズ、ニンテンドウ64の「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズを手がけたゲームデザイナです。最近の作品はニンテンドーDSの「メテオス」。いずれもかなり売れていて、若い(1970年生まれ)ながらも、もっとも影響力のあるゲームデザイナの一人です。
Wikipedia - 桜井政博
そんな桜井政博氏がファミ通で連載してるコラムの2003年4月〜2004年4月分をまとめた本。当時のコラムすべてに、現在(2005年4月)思うことを追記してある。結果として、今の桜井氏の意見が分かるので、全く古くささを感じさせない。
僕は、彼の書いたものや、インタビュー記事はほとんど読んだ事がなかったのですが、この本で彼のゲームに対する考え方がよく分かる。常にゲームを遊ぶ人の事を考えている姿勢がとてもすばらしい。やっぱりその気持ちが、作ったゲームに反映されているから、面白く仕上がり、結果として売れるゲームになるんだ、と思える。
実際、開発の現場では「ゲームを完成させる事」に重きを置きがちになることが多い。もちろん、ビジネスとして成立しないといけないからなのだが、それでもやっぱり遊ぶ人(=客)がいないとそもそもビジネスが成立しない。そこを考えると、やっぱり常に「おもしろく、楽しく」と考えることが重要だ。そんな当たり前のはずのことを思い出した。
いろいろ考えるときに、どこまで気を使えばいいのか?とか、何を考えればいいのか?とか、考えたり、答えも分からなくなることがある。それに対する桜井氏の意見は、この本から引用すると、「スペシャリスト(専門家)だけが世界を創る」ということだ。
ゲームを作る人に勇気を与え、ゲームを遊ぶ人に業界事情を教えてくれる良書。それが1,000円というのは安い!
5点/5点。
メテオス

メテオス