Winnyの技術

発売時から気になっていた「Winnyの技術」という本を会社の人から借りたので、読んでみた。

Winnyの技術

Winnyの技術

通信に関して、IPが何か、とか概要は何となく分かっているものの、実際はP2Pどころか、通信プログラムを書いたことがないので、どこまで理解できるかが不安だったが、何の事は無い、とても分かりやすい本で勉強になった。もしかしたら、僕より通信技術に詳しい人には物足りないかもしれない。
この本を読んで分かる事は、以下のようなこと。

具体的なWinnyの技術にはあまり触れずに、しかしながら、Winnyの仕組みは分かりやすく説明しているあたりが、とてもすばらしい技術本だ。
金子氏らしく、P2Pの技術について、過去の経緯〜実装時の問題点〜対策とその意図〜今後の課題、が分かりやすく書かれている。ある意味、すばらしい論文で、今後、ここからいろいろな引用がされてもおかしくないほどの技術本の見本的出来映え。
時折出てくる「私はもうwinnyを開発できないが…」という下りは日本の法制度と行政的判断のしょぼさに悲しくなる。
現在進行形の技術屋さんならとりあえず目を通しておいて損は無い本です。
ちなみに、「winnyで金子氏が逮捕」というニュースが流れた1年半前、感じた事はこちらにメモしてある。読み返してみても、僕の考えは全く今も変わらない。
Winnyの開発を続けられない金子氏は、地動説を唱えたコペルニクスとかガリレイに近い処分に思えてしょうがない。