The Tower DS

ひさしぶりにゲームを、ということでDS用に発売された「The Tower DS」を買った。その昔、Macintoshで発売されていた頃にやっていたこともあり、ゲーム性には特に疑問を持たずに購入しました。

ザ・タワーDS

ザ・タワーDS

チープで古いグラフィックスデザイン

起動してまず驚いたのだが、キャラクターや、ウィンドウなどのちょっと古くさすぎるグラフィックスはどうにかならなかったのだろうか?

購入後に知ったのだが、どうやら、3年前に発売されているGBA SP版を基本にしているようだ。

サイト内の画像とか見てみたら、確かにあまり変わっていない。
ゲーム性とグラフィックスのセンスは関係ないと言い切ることも出来るのだが、それでも変えるべきインターフェイスというモノがあると思う。なぜこうも古いWindowsのようなデザインなのか。いくつもデザイン案を出してそれでもこれだった、とは思えない。同時代からあり、最近DSで作られた「シムシティDS2」と比べても見劣りがするし、やはり、これは何とかすべきだったと思う。

設置条件が分からない

ゲーム本編を始める。
しばらくプレイしていたら、エレベーターやエスカレーターなど、このゲームの基本となるアイテムの設置条件が分からない、という大問題が出てきた。今までのシリーズをずっとやってきたわけではないので、全く分からない状態であるのだが、例えば、一度設置したエレベータをタッチペンでドラッグしようとしたら「ここにはアイテムを移動できません」と言われ、エスカレーターを設置しようとしたら、「そこにエスカレーターを置くことはできません」と言われる。
問題は、いったいなにが原因で移動できないのか?が分からない、ということ。
また、そのエラー表示の表示方法についても問題がある。しかも前者はダイアログで出てくるのだが、後者は上部の状態バーみたいなところに表示され、分かりにくい。
ゲーム中の説明(Rボタンを押して設置アイテムを選びStartボタンを押して出てくる画面)を読んでも分からないし、ユーザーにとっては最後の頼りであるはずの説明書を読んでも分からない。
なんだかなー。

クリア条件を確認出来ない

The Towerでは、ビルのグレードが最高まで上がった後も、クリア条件を満たさないとそのビルのステージをクリアできない。
しかし、クリア条件というのは、ゲーム中に一度メッセージで表示されるだけで、基本的に再確認ができないようです。
また、そのクリア条件を満たすためのヒントも全く無いのも問題だ。現在、2つ目のビルをやっているのだが、グレードはすぐに最高になったもののクリア条件を満たすことが出来ず、クリアできないまま5年目が終わろうとしている。たしか「VIPが来て、それを満足させる」はずなのだが、何をやってもVIPは来ない。
スイートルームはあるし、底の宿泊客の満足度も高いし、駐車場もあるし、特に不満は出てこないし。完全に行き詰まった。こういう時のための「大室社長の部屋」だろうと、その話を聞いてみても、何かヒントが聞けるのかと思いきや全く分からないし。
なんだかなー。

愛が無い

そのほかにもいろいろ思うところはあるのだが、セーブ領域は2つ以上用意すべきだと思う。
そうしなければ、友人などの「これ、ちょっと面白いからやってみな?」と勧めることができない。もしくは「それ面白い?やらせてみてよ。」と言われたときの対応ができないのだ。
これを作っている人たちの想定ターゲットに、そういう子どもコミュニティは全くいないのだろうか?
全体的にプレイヤーに対する愛が感じられないゲームでした。
斎藤由多加さん、いろいろ考えるのも結構だが、そして特典の文庫は楽しませてもらったのだが、ゲーム本編をもう少し見直すべきだったと思います。一度作ったものをもう一度考え、作り直すことも必要なのではないでしょうか。