分散コンピューティングとエコを考える

分散コンピューティング

PCはいつも全力で活動しているわけではない。CPUにもメモリにもHDDにも空き容量(能力)がある。その能力一つ一つは微々たる物でも、世界中のPCの能力として累積したらスーパーコンピュータを凌駕する能力になる。という思想のもとに、いろいろなプロジェクトが実現されている。
こういう仕組みを「分散コンピューティング」という。

SETI@Home

分散コンピューティングのうち、最初に有名になったのが、SETI@Home

宇宙から地球に降り注ぐたくさんの信号の中から地球外生命体からの信号を探す、というロマンにあふれたプロジェクトで、アプリケーションを走らせるだけでそのロマンに乗れる、というのがみんなが使い始めたポイント。

M4 Project

ナチス・ドイツが使用していて未解読であった暗号 Eniguma を解読しよう、というのがM4 Projectだ。

2006年1月に始まったプロジェクトで、同年2月、3月に相次いでメッセージが解読されている。しかしまだ残っているメッセージはあり、現在も継続中。
現在の状態は次の通り。

Date Daily Completed Remaining
2007-06-02 1807 570410 5123590

まだまだですねー。

花粉飛散経路探索プロジェクト:SPRING

こうした分散コンピューティングプロジェクトは何も海外ばかりではない。
日本で最近始まった有名なプロジェクトがこの花粉飛散経路探索プロジェクト:SPRINT (Simulation for Pollen Route INvestiGation)だ。

分散コンピューティングが日常生活へ結果をもたらす例としてはとても分かりやすい。

Folding@Home

そんな分散コンピューティングプロジェクトの中で、最近PlayStation3に対応してから有名になり、もっと現実的でシリアスなのが、Folding@Home
スタンフォード大学化学科 Pandeグループがはじめ、タンパク質など合成ポリマーの折り畳み(Folding)の法則を解析しようとしているプロジェクト。

かなり難しい話で正直分からない。詳しくは下記のFAQを見てください。

実は、自分も話題に乗っかってみようと、春前くらいからFolding@Homeをインストールしていたのです。そして、つい先ほど11個のUnitの処理を完了しました。

しかし、ここで一区切りつけて、PC起動時の自動起動をやめようと思います。(またやりたくなるかもしれないのでアンインストールはしない)
確かに実作業には影響ないCPU使用率なのですが、しかしそれでも確実にCPUを使っていて、PCのファンが回りっぱなしになるのです。これって電力もそれだけ使ってるってことだよなー、と思い始めたら、もう走らせるのが嫌になっていました。最近はPCを起動させて、それから実作業に入る前の数分間だけ走らせていた状態です。
そう、エコなPCってあまり考えられてないなー、と思うのです。

エコなPCへ

PCって、すでに一般的な使用には十分なパワーが与えられていると思うのです。
ところが世の中にはそれでも無駄な(?)スペックを要求してくるOSが発売されたりしていますが、どう考えてもこれはエコな流れに反している。業界の方々は外側の世界ではそれが普通だとまだ気づいてないようですが。
デュアルディスプレイにしたり、高クロックなグラフィックボードを刺したり、たくさんのUSBデバイスをつなげたり、電力をどんどん消費する方向へ進んでいる。
個人的には、「このOSに変えると、消費電力が○%OFFですよ!」「御社のPCのパーツをこれに切り替えると電気料金が年間△円も助かります!」みたいな方が売れると思うのですが、見たことがない。
もっともっと電力を抑える方向へ、といかないと、他の業界での努力を帳消しにするのでは?と心配になってしまいます。
電源にそんなに出力が必要か?とそこに疑問を持つと何かが見えてくるかもしれません。
※自分も割とその浪費型なので厳しくはいえないけど、気になってはいます。

ソフトウェアが効率的になれば

世の中にはやっぱりいろいろ考えている人もいて、そんな記事も見かけたので、引用しておきます。

 ソフトウエアが効率的なコード(機械語)で構成されていれば,CPUの使用率を抑えられ,省電力と静音と環境保護につながるでしょう。もちろん「演算量の少ないアルゴリズムを採用する」「最適化性能の良いコンパイラを使う」といった実装面の工夫は,それが省電力などを意識している場合は少ないのでしょうが,昔から行われていることです。

“静かで環境に優しい”ソフトウエアを! | 日経 xTECH(クロステック)

高速なコードは省電力なコードである。

 エデン氏は「シリコンプロセスレベルでは65ナノ、そして45ナノと細かくすると同時にリーケージを減少することで消費電力を実現する」と述べる一方で「これからはソフトウェアベンダーと協力し、ソフトが賢く動作することで省電力を実現しなければならない」と、ソフトウェアの動作がより重要になることも併せてアピールしている。

「ソフトが賢くなれば省電力が実現する」──ムーリーが語るYonahとNapa - ITmedia PC USER

Let'snoteのソフトウェア開発陣が省電力のために取り組んでいる1つの例として、寺岡氏は液晶ディスプレイの輝度制御を紹介してくれた。ホットキーを使った液晶ディスプレイの輝度変更は多くのノートPCで採用されているが、Let'snoteシリーズでは輝度がある一定のレベルまで下がった時点でディスプレイのリフレッシュレートを通常の60Hzから40Hzに自動的に引き下げる機能を実装している。

Let'snoteのソフトウェアは“ひっそりこっそり”と省電力 - ITmedia PC USER

ノートPCの世界で鍛えられてきたハードやソフトを使えばいいのかな。

具体的なPCの省電力化メモ