「Googleを支える技術」

ちょっと前に買っていた「Googleを支える技術」、一通り読み終えました。

Googleを支える技術 ?巨大システムの内側の世界 (WEB+DB PRESSプラスシリーズ)

Googleを支える技術 ?巨大システムの内側の世界 (WEB+DB PRESSプラスシリーズ)

あまり内容を確認せずに本屋で買って読んでいたものですが、想像してた以上に技術書。
Google社のビジネス的立場とかそういうのは全く関知せず、という潔い立ち位置に気持ちよく技術書として読ませていただきました。この本を読む前提として、Google社の社風とか、世の中での受け入れられかた、とか、PageRank、80%プロジェクト・20%プロジェクトぐらいは知っておく必要があります。
まぁ、普通に世の中を追いかけている技術者なら分かることだとは思いますが、営業の人とかが読むには厳しいかもしれません。

完全理解は難易度高

というか、俺、厳しかった・・。
上っ面を読むことは出来るのですが、かなり多岐にわたって各種アルゴリズムの概要が説明されていたりするので、それについて行けない部分があったのです。(敢えてついて行かない、と強がってみたり。)
簡易的なモノでいいので、ちょっとした具体的なテストコードとかを考えながらもう一度時間があるときにトライしてみたい。
出来れば、読んだ人と、一緒に読書会とか出来ればいいな−。一人じゃ限界がある。

お勧めは第5章!

そんな難易度が高い本書ですが、第5章「Googleの運用コスト」はかなりおもしろかった。
Googleを運営していくために必要な経費を測定し、大きな経費がかかっているところや将来のスケーラビリティに問題が起きそうなところを把握し、そこの最適化を図っていく、という流れでいろいろ書かれているのです。
この手順、とてもプログラマ的思考に基づく最適化の手順で、それをビジネスとか運営にそのものに適用しつつ、様々な対策を施しているのがとても興味深いです。
ハードディスクの壊れる可能性とか、原因を、噂に頼らず、実際に自分たちで計測した実データに基づきデータをはじき出すところとか、かなりおもしろい。こんな膨大なデータ、絶対HDDを生産するときに測定した量を遙かに超えているし、むしろハードベンダーがお金を出資すべきじゃないのか?ぐらいになっている。
PC自作派の人とか楽しめそうな話題です。

超スケーラブル企業

一通り読んで考えたのですが、Googleという会社を一言で表すなら、「超スケーラブル企業」という言葉でしょう。
すべてのサービスをスケーラブルに出来るようにすることが第一目標である。それが前提でないものは、Googleの関するところではない、と言っても過言ではないのかと思います。
また、そこに、Googleの落とし穴というか、次のイノベーションの秘訣があるような気がしてなりません。