「ハッカーと画家」

半月くらい前に衝動買いしていた「ハッカーと画家」を読み終えた。Paul Graham氏のウェブで公開されたコラムなどをまとめたもので、一部で評判になっていたように思うが、なぜか読んでなかった。
読む前に、なんとなく想像していたような話から、あれ?と思うような、いい意味で裏切られてとても興奮させられたコラムもあった。

ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち

ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち

大きく分けて本著の後半部分がLispのすばらしさ(と、それを見抜いた自分の才能と、それによる成功体験)を語っているのだが、これが本著を手にする前になんとなく想像してた部分。
面白かったのは前半部分である。
大胆に要約してみると、こんな感じかな?
「頭がいいやつは学生時代には報われない。しかしそれは学生時代という世界が、ほかの世界から見れば特殊すぎるからあまり問題ではない。思う存分自分の世界に没頭せよ。」
ちょっと違うかもしれないし、アメリカという世界の中の話でもあるのだが、やっぱり、ここまで強く言ってもらえると気分が楽になる若い人もいるのではないだろうか。
うまく抜粋して、言葉の体裁を整え、道徳の教科書にでも載せてほしいと思った。
あと、「第7章 格差を考える」という章もとてもいい。
自由主義社会は「結果の平等」ではなくて「機会の平等」を目指すということすら分かっているのか怪しい人たちが、「格差社会」を声高に叫んでいるのを見て違和感を感じることがある自分にはとても共感できる章だ。
これもほぼ間違いな要約をしてみると「お前らの言う格差はたいした格差じゃない」ということだ。
でもまぁ、世の中にはいろんな格差があるのが事実。
すべての「格差」を同じ「格差」とひとくくりにしている人の言葉が一番危険に思えますが。
話がそれ気味になってしまうが、とにかくいろいろ考えさせられることや気づかされることが多い本でした。
とてもお勧め。

参考リンク集

Paul Graham氏のサイト
以下はウェブ上の訳文。